中抜けシフトとは?きつい?ホテルの現場が答える実際の働き方と過ごし方
中抜けシフトは、朝と夕方に働き、その間に長い休憩をはさむ勤務です。週に何日あるのか、間に何をしているのか、きついのか。山梨の西湖で学校や会社の団体を迎えるホテルの責任者に聞いて、そのまま書きました。
旅館やホテルの求人で「中抜けシフト」という言葉を見て、どんな働き方なのかを調べている方へ。「朝と夜に働いて、昼は空く」と説明されても、週に何日あるのか、空いた時間に何をしているのか、本当にきついのかは、求人票からは読み取れません。検索しても、出てくるのはリゾートバイトの会社や人事向けの解説が中心で、宿が自分のところの実際を書いたものはあまり見当たりません。
そこで、ホテル光風閣くわるびを運営するHAMAYOUリゾートが、自分たちの中抜けを書くことにしました。入社した人が「きつい」と言うことで、いちばん多いのが中抜けだからです。先に結論を書くと、いまの人数では、繁忙期は週の半分以上が中抜けの日です。そして、社員で入る方が希望で外すことはできません。応募を増やすための記事ではないので、良いところだけには寄せません。時刻や勤務時間の数字は、この記事には書いていません。
中抜けシフトとは
まず、一般的な話です。中抜けシフトとは、1日の勤務の途中に長い休憩をはさみ、前半と後半に分けて働く勤務の形です。「中抜け勤務」「分割勤務」と呼ばれることもあります。
宿の仕事に多いのは、忙しさの山が1日に2回あるからです。お客様の朝食と出発が重なる午前と、到着と夕食が重なる夕方に人手が要り、お客様が外に出ている昼は手が空きます。旅館やホテルのほか、飲食店のアルバイトやリゾートバイトの求人でもよく見かける言葉です。
対になる言葉が「通し」です。途中に通常の休憩をとりながら、続けて働く勤務を指します。
| 中抜けシフト | 通しの勤務 | |
|---|---|---|
| 1日の形 | 前半と後半の間に長い休憩が入る | 休憩をとりながら続けて働く |
| 朝と夕方の忙しい時間 | 両方に入る | どちらかに入ることが多い |
| 昼の時間 | 職場を離れられる | 働いている |
| 出勤から退勤まで | 長くなりやすい | 短くなりやすい |
拘束時間と労働時間の違い
中抜けを考えるときに分けておきたいのが、この2つです。拘束時間は、出勤から退勤までの全体で、休憩も含みます。労働時間は、そこから休憩を除いた、実際に働く時間です。
中抜けシフトは、労働時間が同じでも拘束時間が長くなります。「1日が長い」という感想の多くは、ここから来ています。
中抜けシフトは違法?休憩の扱いの一般論
「中抜け シフト 違法」と調べる方も多いので、入口だけ書きます。この記事は法律の解説ではありません。
労働基準法は、労働時間の長さに応じて、勤務の途中に休憩を与えることを会社に求めています。休憩は、働く人が仕事から離れて自由に使える時間、というのが基本の考え方です。長い休憩をはさむ勤務の形そのものが、それだけで禁じられているわけではない、と一般に説明されています。
一方で、休憩のはずの時間に電話番や呼び出しへの対応を求められていれば、その時間は休憩ではなく労働時間と見なされることがあります。扱いは勤務の実態で変わるので、一概には言えません。
自分の勤務がどう扱われるかを確かめたいときは、厚生労働省の情報を見るか、最寄りの労働基準監督署に相談してください。
くわるびの中抜けシフトの実際
ここからが、くわるびの場合です。お客様の中心は学校や会社の団体なので、朝と夕方の食事どきに人手が集中します。お客様と接するサービスの仕事の1日の入り方は3通りあり、朝早くに入って昼過ぎに上がる日、昼から入って夜まで見る日、そしてこの中抜けの日です。
中抜けになるのは、いまのスタッフの人数で、繁忙期は週4〜5日、閑散期は週3〜4日くらいです。閑散期でも中抜けの日はあります。「忙しい時期だけの話」ではありません。
なぜこの日数になるのかも書いておきます。朝食と夕食の両方に、スタッフが要るからです。朝だけの人と夕方だけの人に分けられるほどの人数がいれば、中抜けは減ります。いまの人数では、同じ人が朝にも夕方にも入る日が多くなります。
繁忙期の中抜けの日は、朝食の対応から始まります。そのあと休憩をとって食事を済ませ、その日に使う会場の机や椅子を整えます。一部の人は昼食の対応に入ります。そこで長めの休憩に入り、戻ってからは資料の確認などのデスクの仕事、夕食の対応と続きます。旅館の仕事はきつい?の記事に、一番忙しい時期の1日の流れを載せています。
厨房にも中抜けがあります。昼食が終わってから夕食の準備までが長めの休憩です。ホテルの調理師の仕事の記事に、厨房の1日を書きました。
中抜けの長さには、可能な限り配慮しています。長すぎず短すぎず、というのが現場の責任者の考えです。

中抜けにならない日と、少ない働き方
泊まりのお客様がいない日は、できるだけ通しにする
現場では、泊まりのお客様がいない日を「ノーゲスト」と呼びます。チェックアウトだけの日と、チェックインもチェックアウトも無い日です。こうした日は、可能な限り通しにしています。
ただ、これもその日の人手で変わります。現場の責任者が営業で外へ出る日は、中抜けになることがあります。館内にいる日は、責任者が夜まで残り、ほかの社員には通しで早めに上がってもらっています。
中抜けが少ない仕事
中抜けが少ないのは、セールス(営業)、予約、ナイト(夜のフロント)の仕事です。短時間のパートの方も、中抜けは少なめです。
ただし、中抜けが少ない仕事が、いま募集している職種に入っているとは限りません。募集の中身は採用情報から確かめてください。
本人の希望で選べるか
パートの方は、希望を聞きます。社員で入る方の希望には、対応できません。朝食と夕食の時間帯に、スタッフが足りなくなるからです。
ここは、応募の前にいちばん知っておいてほしいところです。「社員で入って、中抜けだけは外してほしい」という形は、いまのくわるびでは受けられません。
中抜けの間、スタッフはどこで何をしているか
中抜けの間の過ごし方を聞くと、次のような答えでした。
- 自宅に帰る
- 車の中で仮眠する
- いずみの湯で過ごす
- 買い物に行く
いずみの湯は、同じ会社が運営している日帰り温泉です。中抜けの間は仮眠をとる人が多いと聞いています。スタッフ同士で連れ立って出かけることはあまりなく、それぞれが自分のペースで休んでいます。
仮眠ができる場所は3つです。
| 場所 | 使えるとき |
|---|---|
| 空いている客室 | 空いていれば |
| 寮 | 空きがあれば |
| 自分の車の中 | 車で通っていれば |
客室も寮も空きがあるときの話なので、いつでも使えるわけではありません。くわるびは車通勤が基本です。自宅に戻れるかどうかは、家までの距離で変わります。応募する方は、自分の家からなら昼に帰れるかどうかを考えておくと、中抜けの日の過ごし方が見えてきます。
一般によく言われる過ごし方の工夫
ここは一般的な話で、くわるびのスタッフに聞いたことではありません。
- 休憩に入ったら先に食事を済ませて、それから眠る
- 役所や病院など、平日の昼にしか行けない用事をあてる
- 夕方の仕事に戻る時刻の前に、少し余裕を持って動き始める

中抜けシフトのきついところと、良いところ
きついところ(デメリット)
冒頭に書いたとおり、くわるびで「きつい」と言われることの筆頭がこの中抜けです。コロナの前まで見ると、合わなかった理由として中抜けを挙げて辞めた人もいました。
きつさの中身は、体力だけではありません。いま現場を見ている責任者自身、入社のときの面談で中抜けの話が無く、最初はびっくりしたそうです。気持ちの上では、中抜けの間も拘束されているように感じたといいます。
職場を離れていても、夕方にはまた戻る。だから1日が仕事で区切られたまま続く。そう感じる人にとって、この時間は休みになりきりません。これは慣れで消えるとは限らないきつさです。
良いところ(メリット)
一方で、中抜けの間に買い物を済ませたり、いずみの湯で過ごしたりしている人もいます。平日の昼に用事を片付けられるのは、通しの勤務には無いことです。仮眠で体を戻してから、夕方の仕事に入れます。
同じ時間を、自分の時間だと感じる人と、拘束だと感じる人がいます。現場の責任者も「人によって考え方が変わるので、そこが悩みどころ」と話しています。会社の側で長さを調整しても、感じ方まで揃えることはできません。
中抜けシフトに向いている人、向いていない人
ここまでの話をもとにした、一般的な目安です。
向いている人
- 日中の空いた時間を、自分の用事や仮眠に使える人
- 職場の近くに住んでいる人、または車の中でも休める人
- 1日の中で気持ちを切り替えるのが得意な人
向いていない人
- 仕事の日は続けて働いて、早く帰りたい人
- 夕方の予定を毎日入れたい人
- 休憩の間も、仕事が頭から離れない人
向いていない側に当てはまる方は、応募の前に、パートで希望を伝える形や、中抜けが無い職場も含めて考えてみてください。
面接で話していること、確かめてほしいこと
いまのくわるびでは、面接のときに会社の側から中抜けの話をしています。そのため、入社のあとで見解が食い違うことは無いと思う、というのが現場の責任者の見立てです。最近の面接の記録を見ると、応募者の側から中抜けを聞いた人はいませんでした。こちらから「大丈夫ですか」と確かめ、どの人も大丈夫と答えています。ただ、面接で大丈夫と答えることと、毎週続けて大丈夫でいられることは別です。不安があれば、そのまま口に出してください。
どの宿に応募するにしても、求人に中抜けとあれば、次の5点は聞いておくと安心です。
- 週に何日くらいか、繁忙期と閑散期でどう変わるか
- 間の時間はどのくらいか
- 間の時間に、電話や呼び出しの対応があるか
- 休める場所はあるか
- 中抜けの無い働き方を選べるか
くわるびの面接の進み方は、ホテルの面接でよく聞かれる質問と答え方の記事で紹介しています。遠方の方には、現地で少し働いてみる体験入社を提案することもあります。中抜けの感じ方を確かめるには、実際の1日を過ごしてみるのが近道です。
中抜けシフトについてよくある質問
中抜けの時間に給料は出ますか?
休憩は労働時間に入らないので、一般には賃金が支払われない時間です。くわるびの給与の条件は、採用情報から開ける求人票で確かめてください。
閑散期なら中抜けは無くなりますか?
無くなりません。回数は減りますが、閑散期にも中抜けの日はあります。
中抜けの長さはどのくらいですか?
数字はこの記事に書いていません。長すぎず短すぎずを心がけていますが、日によって変わります。気になる方は面接で聞いてください。
車が無いと難しいですか?
通勤は車が基本なので、車が無い方は、通い方と中抜けの過ごし方を面接で相談してください。
リゾートバイトの中抜けとは違いますか?
一般に、リゾートバイトは寮に住み込みで働く形が多く、中抜けの間は部屋に戻って休めることが多いです。自宅から通う場合は、家までの距離で過ごし方が変わります。
くわるびの求人に応募するには
中抜けシフトは、朝夕の忙しさに合わせて宿の仕事を回すための勤務の形です。くわるびの今の人数では、閑散期も含めて中抜けの日があり、社員の方の希望で外すことはできません。合う人と合わない人がはっきり分かれる働き方で、現場の責任者も悩みながら組んでいます。
この働き方を分かったうえで話を聞いてみたいと思った方は、採用情報のページから求人をご覧ください。最新の条件はIndeedに載せています。中抜けのことは、面接で納得できるまで聞いてください。