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ホテルの配膳で覚えることは?バイトや未経験の人が最初に任される仕事と順番を現場に聞きました

ホテルの配膳の仕事で、最初に覚えることは何か。山梨・西湖の団体向けホテル「くわるび」のサービスのチーフに聞くと、答えはビュッフェの開店準備、補充、片付け、清掃でした。覚える順番と新人がつまずく点を書きます。

「ホテルの配膳のバイトを始めるけれど、何から覚えればいいんだろう」。求人に「配膳」と書いてあっても、入ったその週に何を教わるのかまでは載っていません。お皿の持ち方を練習するのか、料理を出す順番を暗記するのか。初めての方ほど、そこが不安だと思います。

HAMAYOUリゾートが運営するホテル光風閣くわるびでは、いま「お客様と接する仕事」のスタッフを、正社員とパート・アルバイトの両方で募集しています。食事のセッティングと配膳は、この仕事の一部です。働き始めてから驚かないよう、チーフに聞いた順番のまま書きます。先に結論を書くと、くわるびの配膳は料理を運ぶだけの仕事ではありません。開店の前の準備から、閉店のあとのモップ掛けとトイレの清掃までが、ひと続きの仕事です。

ホテルの配膳の仕事とは

一般的な配膳の仕事

まず、一般的な話です。ホテルの配膳の仕事は、料理や飲み物をお客様のところへ届け、食事が終わったら下げる仕事です。ホールスタッフ、サービススタッフ、宴会スタッフなど、呼び方はホテルによって変わります。中身は、どの場面で働くかで大きく違います。

働く場面主な仕事内容覚えることの中心
レストラン席への案内、注文、料理と飲み物の提供メニューの知識、一組ごとの接客
宴会・婚礼会場の準備、進行に合わせた料理の提供、片付け全員に同時に出す動き、お皿の持ち方
朝食・ビュッフェの会場料理と飲み物の用意、補充、席の片付け補充のタイミング、会場全体の見方

「配膳のバイトでは、まずお皿を3枚持てるように練習する」といった話を、ネットで見かけることがあります。これは主に婚礼や宴会の配膳の話です。同じ「ホテルの配膳」でも、どんな食事を出しているホテルかで、最初に覚えることは変わります。応募先が決まっているなら、そのホテルの食事の形を先に調べておくと、教わることの見当がつきます。

くわるびの配膳は、団体のお客様が相手

ここからは、くわるびの話です。お客様は学校や会社の団体が中心で、大勢の方が一度に食事の会場へ入って来られます。食事の形は次のとおりです。

  • 夕食と朝食:ビュッフェが基本
  • 昼食:一人ずつ配膳する
  • 学校の団体:開店の前に飲み物と食事の配膳を済ませて、お客様を迎える

ひとつのホテルの中に、料理を並べて取っていただく仕事と、一人ずつの席へ配る仕事の両方があるということです。一組のお客様のそばについて料理を説明するような接客は、ここでは中心になりません。

入って最初に覚えるのは、ビュッフェの開店準備から清掃まで

配膳の仕事で入った人に、最初の週に何を覚えてもらうのか。チーフが挙げたのは次の4つです。

  1. 開店準備:ドリンクの準備、料理のセット、食器の補充
  2. 開店中の補充:料理とドリンクを足していく
  3. 閉店後の片付け:料理やお皿を下げる
  4. 清掃:床のモップ掛け、トイレの清掃

開店の前:ドリンク、料理、食器をそろえる

開店準備で手を動かすのは、ドリンクの準備、料理のセット、食器の補充です。どれも、お客様が入って来られてからでは間に合わない仕事です。お皿が足りなくなってから取りに走ると、そのあいだ、列が止まります。

開店中:補充のタイミングと順番を教わる

開店すると、料理とドリンクを足していきます。いつ、どの順番で足すのかは見ているだけでは分からないので、ここは丁寧に教えています。ビュッフェは、お客様が取り分けるぶんだけ料理が減っていく食事です。減り方を見ながら足すのが、この時間の仕事になります。

閉店のあと:下げるところから、モップ掛けとトイレの清掃まで

閉店後は、料理やお皿を下げる片付けから始まり、床のモップ掛け、トイレの清掃まで進みます。これを一連の流れとして覚えてもらいます。配膳という言葉からは想像しにくいのですが、会場を次の食事に使える状態へ戻すところまでが、この仕事の受け持ちです。求人の「配膳」を「料理を運ぶこと」だとだけ思っていると、ここで驚くかもしれません。

白いクロスの長テーブルと木の椅子が並ぶ、くわるびのレストラン
くわるびのレストラン。閉店後は、この床のモップ掛けまでが配膳の仕事の流れに入ります

早番の1日の中でこの仕事がどこに入るかは、旅館の仕事内容の記事に例を載せています。

食事会場のセッティングの流れ

団体の食事会場は、10名以下の日から450名の日まで、規模に大きな幅があります。準備に入るホールのスタッフは2〜5名程度です。セッティングは次の流れで進みます。

  1. コーヒーや紅茶などのドリンクを準備する
  2. 料理が並ぶレーンに、料理の説明書きを並べる
  3. 料理を取り分けるトングなどをセットする
  4. 開店の直前に料理をチェックして、レーンに並べる

レーンとは、ビュッフェで料理が並ぶ列のことです。料理より先に説明書きとトングを置いておき、料理は最後に並べます。

サラダやパン、卵料理などがバットや皿に盛られて並ぶ、くわるびの朝食の料理
くわるびの朝食の料理。開店の直前に料理をチェックして、レーンに並べます

机や椅子を運んで部屋の形を変える「会場のセット」は、これとは別の仕事です。研修や宴会に使う部屋で行う力仕事で、これも「お客様と接する仕事」に含まれます。

ホールは3つの役割で回す。最初は「ラン」から

くわるびのビュッフェでは、ホールのスタッフが3つの役割に分かれます。

役割すること
ディレクター料理を発注する
デシャップ発注を受けて、調理に伝える
ラン発注がかかった料理を運ぶ

入ったばかりの人は、ランから始めます。慣れてきたら、ディレクターやデシャップも受け持つようになります。

料理は、発注がかかり、デシャップが調理に伝え、できた料理をランが運ぶ、という流れで会場に届きます。ランの間は、どの料理をどれだけ足すかを自分で決めなくて済むので、まず運ぶことに集中できます。運びながら、会場のどこで料理が減っていくのか、厨房とどうやり取りしているのかが見えてきます。厨房の側から見た団体の食事は、ホテルの調理師の仕事の記事に書いています。

デシャップは、飲食の現場で厨房とホールの間の料理の受け渡しを指す言葉として使われます。料理を運ぶ人を「ランナー」と呼ぶお店もあります。こうした用語はホテルやお店で変わるので、入った先の言葉で覚えていけば大丈夫です。

道具で最初に覚えるもの

配膳の片付けでは、ワゴンに下膳用のボックスを乗せて、種類ごとに食器を片づけていきます。下膳は、使い終わった食器を下げることです。くわるびの片づけ方に、特殊なやり方はあまりありません。

昼食は一人ずつ配膳する。新人に多いのは水の交換の遅れ

昼食は、ビュッフェではなく一人ずつに配膳します。同じ配膳でも、覚えることが違います。

ビュッフェ(夕食・朝食)一人ずつの配膳(昼食)
料理レーンに並べ、お客様が取り分けるスタッフが一人ずつに配る
始まってからすること料理とドリンクの補充空になったお水の交換
先に用意するもの食器、説明書き、トングピッチャーの水、配る順番の確認

学校の団体は、開店の前に配膳を済ませて迎える

学校の団体の場合は、開店の前に飲み物と食事の配膳を済ませてから、お客様を迎え入れます。一度に配るので、最初に覚えるのは次の3つです。

  • 水を入れるピッチャーの用意
  • 配膳の順番
  • 料理のチェック

慣れてきたら、アレルギーなどで個別の食事を希望される方への対応も教えていきます。

新人がよく間違えること

新人に多いことをチーフに聞くと、挙がったのは、昼食のときに空になったお水の交換が遅れることでした。料理を配り終えるとひと息つきたくなりますが、食事が進めばお水は減っていきます。

チーフはこう続けています。できるだけ周りを見て、細やかな配慮ができると、すぐに仕事に慣れていただける。配膳のコツを1つだけ挙げるなら、この「周りを見る」になります。自分の手元の作業だけでなく、テーブルの上で次に何が足りなくなるかを見る。お皿の持ち方のような手の技術とは別の、目の使い方です。

大人数が一度に動くスピード感に慣れるまでの話は、早番の例と同じ記事の「最初の1か月でつまずきやすいこと」に書いています。

覚える順番を並べると

ここまでの話を、覚える順に並べると次のようになります。

時期覚えること
入ったばかりビュッフェの開店準備、補充、片付け、清掃。ホールの役割はラン
学校の団体の配膳で最初にピッチャーの用意、配膳の順番、料理のチェック
慣れてきたらディレクターとデシャップ、アレルギーなど個別の食事への対応

チーフの答えに、何週目でここまで、という期間は出てきませんでした。人によって進み方が違うので、この記事でも期間は書きません。

配膳の仕事がきついと言われること

配膳のバイトはきつい、という声も、検索するとたくさん出てきます。一般に理由として挙がるのは、次の5つです。

  • 立ちっぱなしで、会場の中を歩く距離も長い
  • お皿やグラスなど、重い物を何度も運ぶ
  • 料理を出す時間が決まっていて、気が抜けない
  • 覚えることが多く、言葉遣いやマナーにも気を張る
  • 宴会や婚礼は週末に集中しやすい

くわるびの場合に具体的なのは、下膳の重さです。団体のお客様の下膳は一度に行うことが多いので、食器を下げるボックスの重さは8〜10kg近くになることもあります。10kgの米袋に近い重さの箱を扱う場面がある、と考えてください。

配膳の外にも、この仕事のきつさはあります。朝と夕方に分かれる勤務や、繁忙期の長い日、机や椅子を運ぶ力仕事です。そちらは旅館の仕事はきつい?の記事にまとめました。配膳を希望する方も、応募の前に読んでおいてください。

配膳に向いている人と、求人で見ておきたい点

向いている人

チーフの話と、未経験で入って早く慣れた人の共通点をもとにまとめました。最後は自分で確かめてください。

  • 周りを見て、次に要るものに気づける人
  • 失敗を恐れず、まずやってみられる人
  • 分からないことを周りのスタッフに自分から聞ける人
  • 片付けや清掃まで含めて自分の仕事だと思える人
  • 重い物を運ぶ体を使う仕事に抵抗がない人

一方で、一人のお客様とじっくり話す接客がしたい方には、団体が中心のホテルの配膳は物足りないかもしれません。

求人で見ておきたい点

ここからは一般的な話です。配膳の募集は、同じ言葉でも中身に差があります。応募する前に、次の4点を見ておいてください。

  • 食事の形:ビュッフェか、一人ずつの配膳か、宴会や婚礼か
  • 片付けと清掃の範囲:どこまでが配膳の担当か
  • 雇われ方:ホテルに直接雇われるのか、配膳の紹介所や派遣会社を通すのか
  • 最初の教わり方:研修があるのか、現場で先輩について覚えるのか

求人票で分からない点は、面接で聞いて大丈夫です。何を聞くか迷ったら、ホテルの面接でよく聞かれる質問と答え方の記事に例を書いています。

ホテルの配膳の仕事でよくある質問

未経験でも配膳の仕事はできますか?

できます。発注がかかった料理を運ぶ役から入り、開店準備と片付けの流れを順に覚えていきます。募集の条件は、求人の本文で確かめてください。

お皿を何枚も持てないとだめですか?

婚礼や宴会の配膳とは事情が違います。くわるびの下膳は、ワゴンに乗せたボックスに種類ごとに片づける形です。

仕事を覚えるまで、どのくらいかかりますか?

期間ははっきり言えません。お客様と接する仕事全体の話になりますが、くわるびでは、入って最初の1か月は大変だと感じる人が多いです。動きの速さがつかめてくると、楽になっていきます。

配膳のマナーは最初に教わりますか?

一般に、料理の出し方や言葉遣いの決まりはホテルやお店ごとに違うので、入った先で教わります。くわるびで最初に教えることは、この記事の前半に書いた順番のとおりです。

服装や身につける物に決まりはありますか?

決まった制服はありません。ホールで着る物は自分で用意します。レストランの中でのアクセサリーは、結婚指輪と腕時計のほかは外してもらっています。髪型などはホテルスタッフの髪型と身だしなみの記事に書きました。

給与やシフトはどこで確かめられますか?

条件はこの記事では扱っていません。お金や休み、勤務の時間帯は、Indeedの求人に出ている内容を見てください。

くわるびの配膳の仕事に応募するには

ホテルの配膳で覚えることは、働くホテルの食事の形で決まります。ビュッフェと一人ずつの配膳の両方があるくわるびでは、開店準備と補充、片付け、清掃の流れを覚え、ランから入り、周りを見ることを身につけていきます。下膳の重さも、閉店後の清掃も、この仕事に含まれています。

読んでみて、それでもやってみたいと思った方は、採用情報を開いてください。募集中の職種と条件は、その先のIndeedの求人に載っています。配膳についての疑問は、面接で遠慮なく聞いてください。