アウトドアの仕事とは?種類と、ホテルのアクティビティスタッフの仕事内容・覚える順番
アウトドアの仕事には、ガイド、キャンプ場、ショップ、ホテルのアクティビティなど、いくつもの形があります。仕事の種類を整理し、山梨・西湖のホテル「くわるび」のアクティビティスタッフの仕事内容、夏と冬の違い、未経験から覚える順番を紹介します。
「アウトドアが好きだから、それを仕事にしたい」。そう考えて求人を探し始めると、職種の名前はたくさん出てくるのに、実際に毎日どんな仕事をしているのかは、なかなか見えてきません。
HAMAYOUリゾートは、山梨県の西湖で、ホテル光風閣くわるび、キャンプ場の西湖キャンプビレッジ・ノーム、日帰り温泉のいずみの湯を運営している会社です。いま、くわるびで「アウトドア・アクティビティスタッフ」(正社員)を募集しています。この記事は、その仕事の中身を、現場のスタッフに聞いた答えをもとにまとめたものです。良いところだけでなく、入ってから「思っていたのと違った」と感じやすいところも書きました。
アウトドアの仕事にはどんな種類がある?
まず、アウトドアに関わる仕事を大まかに分けてみます。同じ「アウトドアの仕事」でも、働く場所と相手によって、毎日の中身はかなり違います。
| 仕事の種類 | 主な働く場所 | 主な相手 |
|---|---|---|
| ガイド・インストラクター | 山・川・湖・海、ツアー会社 | ツアーやスクールの参加者 |
| キャンプ場のスタッフ | キャンプ場 | キャンプに来た家族・グループ |
| アウトドアショップ・メーカー | 店舗・会社 | 道具を買いに来るお客様 |
| 自然学校・野外教育 | 自然学校・青少年施設 | 子ども・学校 |
| ホテルや宿のアクティビティ担当 | ホテル・リゾート | 泊まりに来た団体・個人 |
ガイドやインストラクターは、自然の中で直接お客様を案内する仕事です。専門の技術や資格を求められることが多く、季節や天気によって仕事の量が大きく変わります。
キャンプ場のスタッフは、受付や場内の管理、レンタル品の貸し出し、設備の手入れなどが中心です。お客様が自分たちで楽しむのを、裏から支える仕事です。
アウトドアショップやメーカーは、道具を通してアウトドアに関わる仕事です。販売や商品の企画が中心で、休みの日に自分で外へ出かけて道具を試す人も多い仕事です。
ホテルや宿のアクティビティ担当は、泊まりに来たお客様に、その土地の自然を体験してもらうプログラムを運営する仕事です。くわるびの「アウトドア・アクティビティスタッフ」は、この形に入ります。
ホテルのアクティビティスタッフは、何をする仕事?

くわるびのお客様は、団体が中心
くわるびがお受けしているお客様は、学生団体の林間学校・勉強合宿と、企業の研修が中心です。アクティビティの仕事も、この団体のお客様が軸になります。数十人の生徒や社員が、決まった時刻に集まり、同じプログラムを一緒に体験する。その運営を受け持つのが、アクティビティスタッフの仕事です。
担当するプログラム
アクティビティスタッフが担当しているのは、たとえば次のようなプログラムです。
- キャンプファイヤー:林間学校の定番のプログラムです。会場の設営、点火、消火、片付けまでをホテルのスタッフが受け持ち、先生方には出し物や歌などの進行に集中していただきます
- 樹海案内:青木ヶ原樹海を歩くプログラムです。樹海の成り立ちを学んでから、テーマを持って森を歩き、見つけたことを最後に発表する形で行います
- BBQ:研修や林間学校の食事として、屋外でのBBQを運営します
- 飯盒炊爨:薪に火をつけてかまどでご飯を炊き、カレーを作るプログラムです。火加減に苦労した分だけ、できあがったときの喜びが大きい時間です
- サバイバルバンドのワークショップ:パラコードを編んで、方位磁石やファイヤースターターが付いたバンドを作る、防災学習のプログラムです。室内でできるので、天気に左右されません
山や湖でお客様を案内するだけでなく、火を扱うプログラムや、室内のワークショップまで、受け持つ内容は幅広くあります。
湖のプログラムは、SUPを自社で

西湖を使うプログラムのうち、HAMAYOUが自社で行っているのはSUPだけです。カヤックは、予約が入ったら外部の業者にお願いしています。湖の上の仕事を目指して入る場合は、まずSUPを覚えていくことになります。
夏と冬で、仕事の中身はどう変わる?
アクティビティの仕事は、季節で中身がはっきり変わります。
夏は、アクティビティのプログラムがいちばん忙しい時期です。林間学校が重なり、毎日のようにプログラムが入るので、仕事はお客様の対応が中心になります。
冬は、プログラムの見直しなどが中心です。外のプログラムが少なくなる時期に、内容を振り返って次のシーズンに向けて組み直します。またはホテルの仕事の手伝いが中心になります。
アクティビティに限らず、くわるびは季節で忙しさが大きく上下する職場です。団体が重なる時期は連休を取るのが難しく、そのぶん、お客様の少ない時期にまとめて休むという働き方になります。カレンダーの休日がそのまま休みになるわけではなく、むしろ連休や夏休みこそ、アクティビティの出番が増える時期です。毎月同じリズムで働きたい人には合わない面があるので、応募の前に、このリズムを自分の暮らしに当てはめて考えてみてください。
繁忙期の1日の形や、きついと感じやすいところは、旅館の仕事はきつい?でくわしく書いています。
資格や経験は必要?
未経験でも応募できます。アウトドアの仕事というと、特別な資格や経験が必要だと思われがちですが、入る前に持っていてほしい資格は、とくに決めていません。
入ってからは、資格ではありませんが、救急対応の講習を受けてもらいます。たくさんの子どもや社員の方を外で預かる仕事なので、けがや体調不良のときに慌てず動けることが、何よりの土台になります。
アウトドアの業界には、ガイドやインストラクターの民間資格がいくつもあります。ただ、くわるびのアクティビティの仕事は、資格を持っていることより、現場で一つずつ経験を積んで覚えていくことを大切にしています。キャンプや登山を趣味でしてきた経験は、もちろん仕事でも生きます。
未経験から、どんな順番で覚えていく?
最初は、式の挨拶とキャンプファイヤーから
アクティビティの仕事を未経験で始める人に、くわるびが最初に任せているのは、学校団体を迎える式と送り出す式での挨拶、そしてキャンプファイヤーの運営です。入社した時期によって違いはありますが、早い人なら1〜2か月で一人でこなせるようになります。生徒たちと顔を合わせ、名前を覚えてもらうきっかけになる仕事なので、ここを入口にしています。
並行して、プログラムで使う物の発注や、フロントとレストランの動きも少しずつ身につけていきます。団体のお客様は、到着から食事、プログラム、就寝まで、館内のあちこちを一緒に動きます。アクティビティの担当でも、館内の流れを知っているほど、プログラムの前後を滑らかにつなげられます。
SUPは、まず自分でたくさん乗るところから
湖のプログラムを担当しているスタッフによると、SUPを覚える順番は次のとおりです。
- まずは自分でたくさん乗る
- レンタルの仕事:SUPのレンタルを利用するお客様への、道具の貸し出しと乗り方の簡単な案内
- SUPスクールのサポート:スクールで教える人の補助に入る
- 個人のSUPツアー:少人数のお客様を、湖の上で案内する
- 団体の受け入れ:大人数のプログラムを受け持つ
いきなり大人数を受け持つのではなく、自分が乗れるようになることから始めて、人数の少ない仕事から順に任されていく流れです。自分で湖に出る時間が多いほど、お客様に伝えられることも増えていきます。
安全と、天気で中止を決めるとき
外のプログラムには、天気がつきものです。決行するか中止にするかの判断も、アクティビティの仕事の大事な一部です。
SUPの場合は、基本的にはスタッフが判断します。ただ、風速や雨量によっては、お客様に判断していただく場合もあります。雨でもやりたい方もいれば、やりたくない方もいるので、お客様の気持ちを尊重することと、スタッフの力量も含めて判断しています。
樹海案内やキャンプファイヤーは、天候によって、添乗員の方や窓口の先生と相談して、決行するかどうかを決めます。団体のプログラムは、その日のスケジュール全体に関わるので、一人で決めずに、お客様側の責任者と話し合って決めるのが基本です。
くわるびの外のプログラムは、晴れから小雨までを目安に行っています。湖の上のプログラムでは、ライフジャケットを着けてもらい、スタッフが見守る中で行います。そして先に書いたとおり、入社したら救急対応の講習を受けます。安全は、天気の判断と、もしものときの備えの両方でつくっています。
「思っていたのと違った」と感じやすいところ
アウトドアが好きで入った人ほど、入る前に知っておいてほしいことがあります。現場のスタッフが挙げたのは、次の3つです。
一人ひとりに接客する機会は少ない
樹海ツアーやワークショップは、団体のお客様が中心です。ガイドとして少人数のお客様にじっくり向き合う仕事をイメージしていると、一人ひとりに接客する機会の少なさに驚くかもしれません。数十人を相手に、時間どおりに、全員に体験を届ける。そこに面白さを感じられるかどうかが分かれ目です。
アウトドアの仕事の幅が広い
アウトドアの業務といっても、幅は広くあります。SUPや樹海の案内だけを思い描いていると、BBQの準備やキャンプファイヤーの片付け、ワークショップの準備など、ほかの仕事の多さに「違った」と感じるかもしれません。
ホテルの仕事の手伝いもある
くわるびのアクティビティスタッフは、ホテルのさまざまな仕事の中の「アウトドアアクティビティ担当」です。担当の仕事が一段落したときは、ホテルの仕事の手伝いをお願いすることがあります。仕事の中心はアウトドアですが、ほかの仕事もある。そこを理解していないと、「思っていたのと違った」と感じやすいと思います。
ホテルの仕事全体にも、似たことが言えます。華やかな接客の場面を思い浮かべて入ると、会場の準備や資料作りといった、お客様から見えない側の仕事の多さに戸惑うかもしれません。アクティビティも同じで、プログラムの本番の前後には、道具の用意や点検、会場づくり、片付けの時間があります。ホテル側の仕事の流れは、旅館の仕事内容とは?で紹介しています。
西湖で働くということ

アウトドアの仕事は、自然の豊かな場所にあることが多く、働く場所そのものが暮らしを左右します。くわるびがあるのは、富士五湖のひとつ、西湖のほとりです。目の前に湖があり、すぐ近くに青木ヶ原樹海が広がっています。勤務地のすぐそばに、仕事で案内する湖や森がある環境です。休みの日に自分で湖や山へ出かけ、次のプログラムで話せることを増やしていけるのも、この場所で働く良さです。
一方で、街なかの職場とは違うところもあります。面接でよく聞かれるのは通勤のことで、車での通勤が基本です。冬は雪の日もあるので、「帰るのが不安な日はどうするのか」という質問も出ます。客室が空いていれば泊まっていけるので、不安な人には「泊まっていって」と声をかけています。社員寮もあります。
食事の面では、忙しい時期にはレストランのまかないが出ます。歩いて行ける姉妹施設のいずみの湯にも食事処があり、従業員は半額で食べられます。自分でお弁当を用意してくる人もいて、昼の過ごし方はそれぞれです。
アウトドアの仕事に向いている人
現場の答えから考えると、くわるびのアクティビティの仕事で力を発揮しやすいのは、こんな人です。
- 大人数の前に立つことを楽しめる人:開校式の挨拶やキャンプファイヤーなど、数十人の前で話す場面が多くあります
- 子どもと関わるのが好きな人:お客様の多くは学校の団体です。生徒たちの反応が、そのまま仕事の手応えになります
- 天気や予定の変化に、柔軟に動ける人:外のプログラムは、当日の天気で予定が変わります
- アウトドア以外の仕事も、前向きに引き受けられる人:季節やその日の状況で、ホテルの仕事に回ることもあります
採用の担当者に、未経験から早く職場になじんだ人の共通点を聞くと、返ってきたのは2つでした。うまくいくか分からないことでも、まず手を挙げて「やってみる」人。そして、周りと自分から言葉を交わせる人です。SUPの漕ぎ方や火の扱いは、入ってから身につけられます。それよりも、仕事に向き合う素直さと前向きさ、同じ現場で働く仲間を大事にできるかどうかを見ています。
面接で何を見ているかは、ホテルの志望動機、未経験ならどう書く?でも紹介しています。
アウトドアの求人を探すときに確かめたいこと
求人を見比べるときは、職種名のかっこよさに引っ張られず、中身を一つずつ確かめるのがおすすめです。次の5つを押さえておくと、働き始めてからの「こんなはずでは」を減らせます。
- 通年の仕事か、季節の仕事か:夏だけ、冬だけの募集も多い業界です。正社員として1年を通して働けるのか、季節ごとの契約なのかを確かめましょう
- アウトドア以外の仕事がどのくらいあるか:ホテルやキャンプ場では、季節や日によってほかの仕事を受け持つことがよくあります。くわるびも同じです
- 相手は個人か、団体か:少人数をじっくり案内するのか、大人数を一度に動かすのかで、求められる力が変わります
- 安全の備えと、入ってからの講習:外で人を預かる仕事なので、どんな講習や体制があるのかは大切な判断材料です
- 住む場所と通勤:自然の中の職場は、車がないと通えないことも多くあります。寮があるかどうかも確かめておきましょう
求人票に書かれていないことは、面接で遠慮なく聞いて大丈夫です。聞きにくいと感じることほど、入る前に確かめておいたほうが、お互いのためになります。
アウトドアの仕事のよくある質問
アウトドアの仕事は、正社員でも働けますか?
働けます。くわるびの「アウトドア・アクティビティスタッフ」は正社員の募集です。給与や休日などの条件は、Indeedの求人ページでご確認ください。
資格がなくても応募できますか?
できます。未経験でも応募でき、入ってから救急対応の講習を受けていただきます。
冬はアウトドアの仕事がないのでは?
冬は外のプログラムが少なくなりますが、プログラムの見直しや、ホテルの仕事の手伝いが中心になります。1年を通して、仕事が無くなる時期はありません。
SUPやカヤックの経験がなくても大丈夫ですか?
大丈夫です。SUPは、まず自分でたくさん乗るところから始めて、レンタル、スクールのサポートと、順に覚えていきます。カヤックは外部の業者にお願いしているので、くわるびのスタッフが受け持つことはありません。
住む場所はありますか?
社員寮があります。くわるびへは車での通勤が基本で、雪で帰るのが不安な日は、客室が空いていれば泊まっていくこともできます。
仕事の楽しさはどんなところですか?
団体の子どもたちと一緒に過ごす時間そのものが、やりがいになる仕事です。くわるびのスタッフが仕事の中で楽しいと感じている場面は、旅館の仕事の楽しさにまとめています。
まとめ:アウトドアが好きな気持ちを、団体の体験づくりに
アウトドアの仕事には、ガイド、キャンプ場、ショップ、自然学校、ホテルのアクティビティと、いろいろな形があります。くわるびのアクティビティスタッフは、学校や企業の団体に、西湖と樹海の自然を体験してもらう仕事です。夏はプログラムの対応に、冬はプログラムの見直しやホテルの仕事に。未経験から、式の挨拶とキャンプファイヤー、SUPなら自分で乗るところから、順に覚えていきます。
一人ひとりにじっくり向き合う仕事ではなく、ホテルの仕事の手伝いもあります。それでも、大人数の子どもたちが火を囲んで盛り上がる時間や、初めて湖に漕ぎ出す瞬間に立ち会える仕事です。
募集中の職種と、給与や休日などの最新の条件は、採用情報のページから、それぞれのIndeedの求人ページへ進んで確かめてください。アウトドアの仕事について気になることは、どんな小さなことでも、面接の場で聞いてください。