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ホテルの繁忙期はいつ?閑散期との違いと休みの取り方を、団体ホテルの現場に聞きました

ホテルの繁忙期は、一般に連休や夏休み、年末年始です。ただ、いつ忙しいかは宿のお客様で変わります。学校の団体が多い山梨・西湖のホテルの繁忙期はいつか、閑散期は何をするのか、休みは取れるのかを現場に聞きました。

旅館やホテルの求人を見ていて、「忙しい時期はいつなのか」「その時期に休めるのか」が気になって調べている方へ。検索で出てくるのは、宿の経営者に向けた集客の解説が中心です。働く側から見た1年の実際は、求人票からはなかなか読み取れません。

この記事では、ホテル光風閣くわるびの1年を、運営するHAMAYOUリゾートの立場からまとめます。結論から言うと、1年の山は4月と8月で、谷は1月と2月です。世の中のホテルの繁忙期とは、少しずれています。応募を増やすための記事ではないので、大変なところもそのまま書きます。時刻や勤務時間、休日の日数は、この記事には書いていません。

ホテルの繁忙期はいつ?一般的な時期

まず、一般的な話です。ホテルの繁忙期とは、宿泊の予約が集中して、満室に近い日が続く時期のことです。反対に、予約が少なく空室が増える時期を閑散期と呼びます。いつがそれに当たるかは、立地とお客様の層で大きく異なります。

施設の種類忙しくなりやすい時期落ち着きやすい時期
観光地のリゾートホテルゴールデンウィーク、夏休み、シルバーウィーク、年末年始連休明け、梅雨どき、冬の平日
温泉旅館週末と連休、紅葉のシーズン、年末年始平日、梅雨どき、1〜2月
都市のビジネスホテル出張の多い平日、大きなイベントのある週年末年始、お盆

これはあくまで目安で、エリアによっても変わります。スキー場の近くなら冬が山になりますし、花火大会やマラソンのようなイベントで、その週だけ予約が埋まる地域もあります。

旅行する側から見ると、繁忙期は宿泊料金が上がり、予約も取りにくい時期です。閑散期には、宿が料金を下げたり、割安なプランを用意したりします。同じ部屋でも、時期や曜日で料金が大きく違うのはこのためです。

働く側から見ると、繁忙期はお客様の数が増えて、シフトの組み方が変わる時期です。「世の中が休むときが忙しい」と言われるのは、このためです。求人を見ている方が知りたいのは、料金の話よりも、自分の1年がどう動くかだと思います。

ただ、お客様の中心が個人の旅行者ではない宿では、この一般論が当てはまらないことがあります。くわるびがその例です。

くわるびの繁忙期と閑散期はいつか

くわるびは、山梨の西湖にある、学校や会社の団体を中心に迎えるホテルです。お客様の予定は、世の中の連休よりも学校の年間行事で決まります。採用担当に、いちばん忙しい月と落ち着く月を聞いた答えがこれです。

  • いちばん忙しい月:4月と8月
  • いちばん落ち着く月:1月と2月

4月が忙しいのは、入学直後のオリエンテーション

4月は、入学したばかりの学生が泊まるオリエンテーションの宿泊が多く入ります。3月の終わりから4月初めには、会社の新入社員研修も重なります。4月の初めを過ぎると、研修の問い合わせをいただいても、オリエンテーションで満室になっていて受けられないほどです。

個人のお客様が多い宿なら、4月はまだ大型連休の前の静かな時期かもしれません。ここが、一般的なホテルと大きく違うところです。

8月が忙しいのは、夏休みの勉強合宿

8月は、塾や学校の勉強合宿で忙しくなります。塾の合宿はコースごとの募集で、少ないコースでも200名くらい、多いコースでは400名を超えることがあります。泊まる日数も2泊から5泊までと長めです。日程が長いと、保健室を増やす、体調を崩した生徒におかゆを用意するといった対応も増えます。

夏はキャンプファイヤーなどのプログラムがいちばん動く時期でもあります。館内の仕事と屋外の仕事が、同時に重なります。

1年のカレンダー

月ごとの様子を並べました。繁忙期のカレンダーといっても、毎年同じではありません。団体の日程で動くので、年によって変わります。

月くわるびの様子主なお客様
1〜2月いちばん落ち着くスキー教室で泊まる学校がある
3月団体が入る勉強合宿、春休みの部活や大学の合宿。月末から新入社員研修
4月いちばん忙しい入学直後のオリエンテーション、月初めの新入社員研修
5〜6月繁忙期の中学校の団体
7月繁忙期の中。中旬は複数の団体が重なる勉強合宿、学校の団体
8月いちばん忙しい夏休みの勉強合宿、部活の合宿
9〜11月団体が入る社員旅行、10月と11月の勉強合宿
12月団体が入る勉強合宿

繁忙期と呼んでいるのは、4月から8月にかけてです。秋にも団体は入りますが、10月以降は比較的空いている日程もあります。忙しさの山は春から夏にあります。

3月と秋、冬の団体

山の前後にも、団体は入ります。3月は勉強合宿のほか、春休みを使った部活や大学の合宿があり、毎年この時期に決まって来る団体もあります。

秋は社員旅行の多い時期で、実施は9月から11月に集まります。10月、11月、12月には勉強合宿も入ります。一方で、冬の社員旅行はあまりありません。

1月と2月にも、スキー教室で学校が泊まる日はあります。落ち着く時期は「お客様がいない時期」ではありません。

土日祝が固定の休みにならないのは同じ

忙しい月が世の中とずれていても、土日祝が固定の休みにならないことは、一般のホテルと変わりません。学校や会社の団体は、平日にも週末にも泊まります。サービスの仕事も調理の仕事も、休みはシフトで決まります。

同じ会社でも、施設が違えば忙しい月は違う

HAMAYOUリゾートには、ホテルのほかに、キャンプ場と日帰り温泉があります。お客様が違うので、忙しい時期も違います。

施設いちばん忙しい時期いちばん落ち着く時期
光風閣くわるび(ホテル)4月と8月1月と2月
キャンプビレッジノーム(キャンプ場)8月2月
いずみの湯(日帰り温泉)ゴールデンウィーク、お盆、夏休みのシーズン2月

3施設とも、2月は落ち着いています。そして夏は3施設とも忙しくなります。

いずみの湯の繁忙期は、一般の観光地に近い形です。連日の営業になり、営業時間も延びるので、ほかの時期より1日が長くなることがあります。食事処に限ると、夏と秋の日曜がいちばんの山です。仕事の中身は温泉の仕事内容の記事に書きました。

長机と椅子が奥までまっすぐ並び、正面にスクリーンが2面下りている、くわるびの大きな会場
勉強合宿では、大きな会場に全員が集まって自習することもあります

繁忙期はどのくらい忙しいのか

人数が多いことに加えて、全員が同じ時間に動くのが、団体のホテルの忙しさです。

たとえば食事です。大きな学生団体が泊まる日は、400食のビュッフェを用意することがあります。朝食と夕食は決まった時間に一斉に始まるので、量と速さが同時に求められます。その合間に、次の団体が使う会場の机と椅子を整えます。

忙しい時期に多くなるものを挙げます。

  • 1日の勤務が長い日
  • 会場のセットと片付け
  • 夏の屋外炊事の準備
  • 朝食と夕食の両方に入り、昼に長く空ける勤務

最後の勤務は「中抜け」と呼ばれる形で、いまのスタッフの数だと、1週間のうち繁忙期で4〜5日、閑散期で3〜4日くらいあります。中抜けシフトとは?の記事にくわしく書きました。

繁忙期の1日の流れは旅館の仕事はきつい?の記事に、厨房の忙しさはホテルの調理師はきつい?の記事に載せています。

この忙しさが続く期間の長さは、人によっては負担になります。さかのぼると、コロナの前までは、繁忙期の長さが合わずに辞めた人もいました。

繁忙期と閑散期で働き方はどう変わるか

ここまでの話を、働く側の目線で並べるとこうなります。

繁忙期閑散期
仕事の中心お客様の対応、食事、会場の準備研修、プログラムの見直し、清掃
1日の長さ長い日が増える落ち着く
中抜け多い減るが、無くならない
休み取りにくいまとめて取る
アクティビティの担当お客様の対応が中心見直しやホテルの手伝いが中心

団体が続くあいだは、スタッフもレストランのまかないを食べられます。

忙しさに差があるということは、1年を通して同じリズムで働きたい方には合いにくい、ということでもあります。反対に、波があるほうが動きやすい方には、向いている面があります。採用担当も、応募の前に知っておいてほしいこととして、この差を挙げています。

繁忙期に休みは取れるのか

求人を見ている方がいちばん気になるのは、ここだと思います。

団体が続く時期に休みが取りにくいのは、隠さずに書いておきます。その代わりに、1月や2月のような時期にまとめて休みます。毎月同じように休む仕事ではありません。

そのうえで、くわるびの希望休の実際を採用担当に聞きました。

  • 希望休は、1か月前に申請する
  • 対応が重なる日は、希望休を避ける条件がある
  • それ以外は、基本的に希望した日に休める
  • 繁忙期の4月から8月の間でも、予約状況や希望の理由によっては連休を取れる

答えてくれた採用担当自身も、今年の7月に友人の結婚式があり、2連休を希望して実際に休みました。7月は繁忙期の中です。

大事なのは、「いつでも好きなだけ休める」という話ではないことです。対応が重なる日は、避けてもらいます。そのうえで、決まった予定があれば希望休として申請でき、繁忙期の中でも休めた例がある、という話です。希望休の決まりは宿ごとに違うので、ほかの宿に応募する場合も、申請の時期と避ける日の有無は聞いておくと安心です。

休みの日数そのものは、募集ごとの求人票が正本です。採用情報から確認してください。

閑散期は何をしているのか

一般に、ホテルの閑散期は、設備の点検や改装、スタッフの研修、次の繁忙期の準備にあてられることの多い時期です。ただ暇になるわけではありません。くわるびで中心になるのは、次の3つです。

研修

さまざまな研修を行います。採用担当の経験では、これまでに次のような研修がありました。

  • 嘔吐処理の対応研修
  • 樹海散策
  • 裏山散策

体調不良は、団体の宿泊で起こりうることの1つです。樹海の案内は、くわるびのプログラムの1つです。

プログラムの見直し

繁忙期には手を付けられない、プログラムの中身を見直します。たとえば、山梨の郷土料理を作るほうとう作り、樹海のプログラム、西湖にすむ魚のクニマスを題材にしたプログラムです。アクティビティの担当は、冬はこの見直しか、ホテルの仕事の手伝いが中心になります。

粉のついた手で、のし棒に巻いたほうとうの生地を広げている様子
ほうとう作りのプログラム。閑散期に中身を見直しています

館内の清掃

繁忙期にはなかなか行き届かない場所の清掃も、この時期に進めます。

閑散期は、次の繁忙期に向けて準備をする時期だと考えると分かりやすいと思います。ただし、お客様を迎える日はありますし、先ほど書いたとおり中抜けの日もあります。

苔に覆われた岩と木々の間を、赤いリュックの人が歩いている青木ヶ原樹海
くわるびの近くに広がる樹海。研修で歩くこともあります

繁忙期の直前に入社しても大丈夫か

入社の時期によっては、覚え始めてすぐに4月や8月を迎えることになります。

最初に覚えるのは、レストランとフロントでのお客様の対応が中心です。最初から1から10までとことん教えるのではなく、お客様の対応など特定の業務から入り、徐々に慣れてもらいます。全部を覚えてから現場に出るのではなく、できる範囲を少しずつ広げていく形です。

学校の団体を迎えるホテルならではの仕事もあります。式の挨拶やキャンプファイヤーの進行です。生徒と直接関わる場面なので早めに任せていて、早い人なら入社から1〜2か月で一人で受け持てるようになります。

それでも最初の1か月は、全体の速さに慣れるまで大変だと感じる人が多いです。団体の仕事は、決まった時間に量と速さが求められるからです。

配膳で覚える順番はホテルの配膳で覚えることは?の記事に、最初の1か月のことは旅館の仕事内容の記事に書きました。

繁忙期を一度越えると変わること

採用担当に聞くと、繁忙期を乗り越えた人には次の変化があるそうです。

  • 時間を逆算して動けるようになる
  • 館内全体の流れを、体の感覚で理解できるようになる
  • 仕事そのものに余裕を持てるようになる

もう1つ挙がったのが、不測の事態への強さです。体調不良やバスの遅延のように、予定どおりにいかないことがどうしても起こる現場です。経験を重ねるほど、そうしたことに動じなくなっていきます。

裏を返すと、1度目の繁忙期は、これらがまだ身についていない状態で迎えることになります。その時期に入る方には、正直に伝えておきたいところです。

繁忙期について気になりそうなこと

採用担当に「面接や入社のあとで、繁忙期について『思っていたのと違った』と言われたことはありますか」と聞くと、記憶には無いとのことでした。そのうえで、聞かれるとすればこの2つではないか、という想定で答えてもらいました。

ちなみに、ここ数か月の面接の録音を確かめると、休みや体力の話を応募する側から切り出した人はいませんでした。聞きにくいのかもしれませんが、気になる方は聞いてください。

繁忙期でも休みは取れますか?

繁忙期でも、連休の希望休を取ることができます。先ほど書いたとおり、対応が重なる日は避けてもらいます。

体力に自信がありません

最初からすべてを任せることはありません。現場では、常に先輩スタッフがサポートできる環境で働いてもらいます。

ここからは、この記事の内容から拾ったものです。

閑散期は仕事が減りますか?

お客様の対応は減りますが、研修やプログラムの見直し、清掃があります。給与の条件は求人票で確かめてください。

土日に休めますか?

土日祝は固定の休みになりません。シフトで決まります。

冬は仕事がありますか?

あります。1月と2月は1年でいちばん落ち着く時期ですが、お客様を迎える日もあります。

応募の前に確かめてほしいこと

どの宿に応募するにしても、繁忙期については次の点を聞いておくと、入社のあとの「こんなはずではなかった」を減らせます。

  • その宿の繁忙期は何月か(お客様の層で変わります)
  • 繁忙期の休みの取り方、希望休の出し方
  • 繁忙期の間に連休を取った例はあるか
  • 閑散期には何をしているか
  • 繁忙期の直前に入った場合、どんな順番で覚えるか

1年の忙しさは、話を聞くだけでは分かりにくいものです。遠くから引っ越して来る方には、入社の前に職場を体験してもらう方法もあります。くわしくは面接の記事をご覧ください。

くわるびの求人に応募するには

ホテルの繁忙期はいつかという問いの答えは、宿のお客様によって変わります。学校の団体を迎えるくわるびなら、いちばん忙しいのは4月と8月で、落ち着くのは1月と2月です。忙しい時期は休みを取りにくい仕事ですが、繁忙期の中でも希望休で連休を取れることがあります。

こうした1年の波を知ったうえで働いてみたいと感じた方は、採用情報に進んでください。募集の条件はIndeedの求人票で確認できます。繁忙期のことも、面接で遠慮なく聞いてください。